2006年05月10日

岩手ルミナリエ旅行記5

これまでのあらすじ

東村氏は盛岡市で眠りについた。




目が覚めると朝食時間の7時30分を既に過ぎていた。
食べるのにかかる時間と、まだ寝れる時間を逆算し、再び眠りへ。
8時にベッドから出る。
そして部屋の扉を開けると、友人が立っていた。
ドアの前で一体何をやっているのだと問うと、私を起こしに来たらしい。
そしてドアをノックしようとした瞬間に私が出てきたという寸法だ。

今日の朝食は和食。
東日本らしく納豆も欠かさずついてくる。
目の前に座った同行者が、納豆を単体で食べていたのが気になった。


今日は岩手大の学生氏がわんこそばに連れて行ってくれるらしい。
9時に学生さんと共に迎えの車がやってきた。
わんこそばの前に岩手こども科学館なるところに案内される。
なるほど、新札幌にある青少年科学館のように、物理法則や簡単な科学技術を体験しながら学ぶ子供向けの施設だ。
だが入ってみると存分に面白い。
この種の施設はある程度大人でも楽しめるものなのか。

昼近くになり、わんこそばを食べに都心へ移動。
やはり盛岡に来たからにはこれを食べないと話になるまい。
とりあえず100杯を目標に。
岩手大の副学長氏も姿を見せ、和気藹々とわんこそば大会が始まった。
「はい、どんどん」のかけ声と共に、椀の中に一口サイズの麺が注ぎ込まれるとツルリと平らげる。
なるほど、これくらいなら何杯でも行けそうだぜ。

…30杯を越えるころ、段々と飽きてきた。
だが椀の中には麺が次々と流し込まれ、その度に口の中へ放り込まれていく。

…60杯を越えること、段々と満腹感が出てくる。
しまった…始めに少し飛ばしすぎたか……

…80杯までは頑張った。もう辛い。
眼前に座る岩手大の学生氏は既に110杯を超える数を平らげ、苦しんでいる。

わんこそばは、自分の椀に蓋をすることで終了となる。
しかし一部の学生は蓋をすることが許されない。
目の前の彼もまたその1人だ。
彼は130杯を義務付けられていた。

…100杯に達した。
やったよ、やったよ、おにいちゃん。
私、頑張ったよね?

目の前に座る学生氏もまた130杯を達成していた。
彼は微動だに出来ない。
胃の限界を超えて、130杯の壁に挑んだ彼は少しでも身動きすると、腹の中が逆流しかねない状況にあるのだ。
そして……悲劇が起こる。
敢えて描写を避けるが、とりあえず彼は良く噛んで食べていたとだけ記しておこう。

お茶を飲みながら、食後の一息をつく。
岩手大の学生氏に、秋葉原大学の講義で使うレジュメを見せたところ、岩手大の副学長先生が興味を示した。
おそるおそる一部渡すと、副学長先生は軽く一瞥し、「貰っても構わないかい?」と問う。
ああ、ここは常識的な判断が必要だ。
人様に見せて良いものと悪い者がある。
そう、例えるならばこれは電車の中で堂々と同人誌(18禁)をカバー無しで読むようなこと。
私は「どうぞ。お持ちになって下さい」と答えた。
秋葉原大学の輪は確かに東北の地にも根付いたのだった。

わんこそばを食べ終え、店を後にする。
いつしか外は吹雪となっていた。
まるで何日も風呂に入っていないヲタの頭からハラハラと舞い散る雲脂のように、雪は降り続いていた。

バスに乗って盛岡駅へ。
岩手大の学生さん達が、ホームまで見送ってくれた。
東京行はやて17号に乗って、我々愛媛大一行は盛岡の地を後にする。

東北新幹線は夕陽を追うように走っていく。
行きと同様に長いトンネルを抜けると不意に雪が見えなくなり、程なく仙台に到着。
盛岡の雪が嘘のように晴れ割った空に夕陽が眩しい。
東北から関東へ。
大宮が近づく頃、紅く染まった首都圏の姿が見えてきた。
2泊3日の盛岡訪問ももう終わりだ。
半ば閉められたウィンドシェードの隙間から、流れゆく街並みを眺めていた。

新幹線は地下に潜ると上野駅に到着した。
短い停車時間。
私は上野駅のホームに降り立つと、まだ停まっている列車を振り返ることなく、地上へと続く長いエスカレーターを駆け上っていった。


(盛岡編 終了)





(神戸編 開始)
コンピュター合成の車内放送がまもなく列車が秋葉原駅に到着することを告げていた。
午後4時過ぎの京浜東北線の席は全て埋まり、私は窓際に立っていた。

上野駅で新幹線から降り立ったのは、いまから10分ほど前のこと。
私は引率の先生やその他の仲間と別れ、一人で東京駅へと向かっていた。
盛岡の余韻に浸る間もなく始まった次のスケジュールの為に、だ。

東京駅に到着すると、見慣れたコンコースを八重洲口へ向かって歩いていく。
このコンコースを歩いた回数は間違いなく松山駅の跨線橋を歩いた回数よりも多いはずだ。
東海道新幹線改札口。
こんどはのぞみ170号の客となる。
新幹線の改札を抜けた先は、もうJR東海の管内だった。
JR東日本のブランドである大清水のペットボトルはどこにもなく、オレンジの装飾の施された静岡茶のペットボトルが大量に売っていた。
3号車禁煙自由席の一席に陣取ると、列車はすぐに出発した。
上野着から東京出発まで30分もない。
いつも通りの余裕のないギリギリの旅。
だが慣れてしまえば無駄のない効率的な旅とも言える。

700系のぞみは品川に停まると次は名古屋まで停まらない。
車中で音楽をききながら、静岡県を走り抜ける。

私は静岡県内を走るとき、良く聴いている曲がある。
それはCool&Createという同人サークルが遙か昔に出した曲。
アップテンポな旋律に男性ラップの声が入るお気に入りの一曲。
「ぱすてるバトノレ」というタイトルのその曲を聞きながら、静岡駅を通過する。
激しいテンポに合わせて「L・O・V・E!」と叫んでいた声が不意に「U・N・K・O」に変わる。
一番好きな瞬間だ。
そして続く小節でひたすら「ウンコキタナイ」を連呼する。
―――嗚呼、これはとても良い曲だ。
気がつけば浜松を通過していた。

続く


posted by 東村氏 at 22:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 外遊記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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