事故概要
発生日:2004年7月28日
発生場所:愛媛大学構内(工学部前)
事故機:政府専用機
運航主体:東村民航(当時:現ROYALUHPE Airways INTL)
事故に至るまでの経緯
2004年7月27日、夏期休業を翌日に控える中、愛媛大学発JR松山駅行政府専用機(自転車)352便(東村 光 機長 乗員1名)は、講義終了に伴い、定刻のから数分遅れた15時37分にスポットから出発し、共通教育講義棟前から離陸した。
離陸後、管制官からの指示に従い、標準航路である図書館と共通教育本館前の間を磁方位180°の方向に向けて通過し、法文本館前で進路を270°方向に変進すると同時に速度を加速させた。352便は法文本館前の駐車場を飛行中に、西門までの通過を管制に要求し承認された。
これに伴い、352便は速度を保ったまま工学部本館前のT字路にて進路を180°方向に変進させながら進入中に、機体が許容値を大幅に超える角度で左側に傾斜し、15時39分工学部本館前で横転し、墜落した。
事故当時の現場の状況
事故当日は晴天であり、特に路面が濡れる・強い横風などの報告はなかった。
墜落時の細かい状況
政府専用機352便は乗員一名の他に、所定の貨物を前方貨物室(籠)に搭載していた。内容量は政府専用機の平常時の搭載量と比較し、一般的な重量であり、重心などに悪影響を与えた恐れはない。
目撃証言などによると、352便は平時より幾分か高い速度のまま、T字路の合流部分に旋回しながら進入した。一般的及び政府専用機の運航規則によれば旋回時はその曲線半径に応じ、速度を落とすことが望ましいとされていたが、現場並びに目撃証言から原則は確認することが出来なかった。
墜落直前に、352便は機体をやや左側に傾かせていた。合流路に進入中に機体の傾斜は進行し、機体中央部(ペダル付近)から接地しつづいて機体前部が接地し、搭載された貨物は352便の墜落現場からおよそ1500mm離れた地点まで吹き飛ばされた。機体は横転後も接地現場から磁方位295°方向へおよそ500〜1000mm程度移動したのちに停止した。
事故の主因
事故後の調査で、傾斜が始まったと思われる地点に、地面の窪みに溜まった土が発見された。これは現場から5000mm地点に存在する駐車場のものであると推測される。
352便は高速で旋回中に乾燥した土の上を飛行した為、スリップを起し機体姿勢の安定を欠き、横転し、墜落に至ったものと判断される。
事故後の対応
事故発生後、352便は運航を中止した。機体を目視点検したところ、一部に不具合が見つかったが、当面の運用には問題ないと判断されたこと、皿に事故現場に機体を留めることによる風聞被害を防止する為に事故発生の3分後、15時42分に松山駅行9352便として運航を再開した。搭載されていた貨物は回収された。
被害としては、乗員の着用してた衣服が接地の際の摩擦で穴が空き、使用不能となった他、乗員が全治3ヶ月程度の不詳をしたが、生命に別状はなかった。性癖の異常は本事故の影響によるものではない。
以上