2005年09月15日

山陰不要論T

Introduction
 山陰地方は、現在の日本社会において大きな役割を占めるに至らず、脚光を浴びえない立場にある。然るにこのような現状を整理し、山陰の現実像を浮き彫りとすることで山陰地方に対する理解を深めることが可能となるであろう。
そして現状を正確に理解したうえで、国益の観点から山陰はこれからどうあるべきかという点を中心に論ずるのが本稿の目的である。

1. 定義
 本稿における山陰とは以下の地域を指す。

島根県全域
鳥取県全域
山口県中部・北部
兵庫県北部

2.山陰総論
 山陰地方は俗に「裏日本」と呼ばれるように近世以後、あらゆる面において表舞台に出る事はなかった。常に裏方として歴史的に非常に軽微な役割を果たしてきたといえよう。例えば明治以後、森鴎外という傑出した文学者が山陰から誕生したが、森鴎外は青年期に東京に出た後、生涯地元に戻らなかったという。つまり森鴎外の活躍について、山陰地方そのものは大きな貢献が認められないという事である。
 山陰地方各地方についてイメージ調査を行ったところ、産業としては以下の2点が一般的にイメージが強いものである。一つは鳥取県の梨であるが、そもそもこの原産地は鳥取であるという事を忘れてはいけない。
 そしてもう一つは日本有数の漁獲高を誇る境港があげられるが、魚に県境という概念はない。ここで水揚げされる魚は公海上から日本領海内に流入したものであるかもしれないし、回遊魚であるなら、その可能性はさらに高くなるだろう。
 まとめると、魚自体は山陰の特産物ではなく、他の地域で育成されたものを水揚げしているに過ぎないのであって、その水揚港は下関(山口県東部)でも舞鶴(京都府北部)でも結果としては同じであるのだ。故に水産業を以って山陰の産業と述べる事はいささか難しいということが理解できるかと思う。(続く)
posted by 東村氏 at 17:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 主張 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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