2005年10月14日

第19次東京旅行記2−雨の東海道−

□ ReazonU///


「きっかけは些細なことだった……」

彼の独白が始まる。

「君も覚えているだろう?前回の旅行を。全ての始まりはあの時最後に訪れた街にあったんだ。」

前回の旅行……
ああ、9月に行った中部日本環状旅行のことか…
そして最後に訪れた街……?
岡山か……!!

私は静かに頷くと、彼は話を続けた。

「そう、あの岡山で起きた小さな事件が、私が今回どうしても東京に行かないといけない理由になったんだ。
こんな結末は誰にも予想出来なかった。無論それはこの僕自身もだ。
突然の上京、それが何を意味するか……君なら判るだろう?」

……ゴメン。
判らないんだ。
私には、どうして君が東京に行かないといけなかったのか、その理由がどうしても判らない。

もし……
私が真実を、君が旅に出ることになった真実を知ったとき、一体何が起こるのだろう?

私は無言で続きを促した。





□ TransitU///

坂出駅で待つこと10分と少々。
東からステンレスボディを輝かせた列車が到着する。
扉の傍に並んでいた乗客達を慌ただしく飲み込むと、列車はするりと駅を抜け出した。
どこまでも続く高架橋。
その上を滑るように、まるで空を飛ぶように。

気がつけば海の上。
曇り空に切りに霞む海。
行く手には、海とその向こう岸に浮かぶ山が見えた。

長いトンネルを幾つか潜ると列車は街の中へと差し掛かる。
大きな街並みが広がる中を、次第に西から来る別の線路が近寄ってくると、列車は岡山駅に到着した。

おお、岡山。
かつて虚無の中のスポンジはこの岡山をオカヤンマーニと表したが、まさしくその通りである。
何をするのでもなく、ただ列車を乗り換えるだけの中継地点。
そして、あの悪夢の生まれた場所でもある。

私はふと、自分の手元に目をやった。
そこには東京の同人誌即売会で買い求めた鞄がある。



posted by 東村氏 at 01:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 総務 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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