2005年10月28日

第19次東京旅行記2話Bパート

 蓋のない、口の開け放たれた鞄。
その中には一冊の本と僅かな衣類。そしてポンジュースの菓子(グミ)……

 まるで近所にでも買い物に行くかのような風体で、私は東へ東へと旅を続けているのだ。
岡山から幾分か込み入った電車は、雨が降り続ける中を走って行く。
途中駅で徐々に遅れていく。
 ―――おいおい、勘弁しておくれ……
次の列車はたった1分の接続時間しかないのだから。

 結局終着の相生に到着した段階で4分遅れ。
隣のホームには新快速電車223系2000番台4連京都方面野洲行が待っていてくれた。
新快速はスピードを上げ、どんどん進んでいく。
程なく姫路に着き、前よりに8両が増結された。
遅れは2分取り返された。
 しかし依然として遅れを抱えたまま、ステンレスの箱は民鉄や快速を追い越しつつ先を急ぐ。
 ―――ははは、山陽電鉄のなんと遅いことか!
阪急マルーンを軽い足取りで追い抜くと、特に何をしたという訳でもないが、自分は選ばれた早い人間だと錯覚すら覚える。
 ―――阪急ユーザーの愚民どもめ。私は君より先に梅田に着くさ!
だがそんな想いも、山陽新幹線こだま号に抜かれて夢と散った。

 京都を出て、山科を超え、琵琶湖をかすめて野洲に着く。
遅れは何故か7分くらいに増えている。
 だが1分接続の予定の米原行各駅停車221系6連は待っていてくれた。
のろのろと歩みを進める速度が目に見えて落ちていった。
しかし不安が残る。
次の米原で乗換予定の浜松行新快速もまた、接続時間は1分。
しかもこの列車はJR東海の運行だ。
JR西日本の列車の到着を大人しく待っていてくれるだろうか?

 米原が近づいてきた。
車窓右手に保存された新幹線試験車は、珍しく中の灯りが付けられ、一般公開がされているようだ。
相当気が引かれたが、時間はない。
先を急がねば。

 ホームの反対側には313系6連が止まっている。
待っていてくれたのだ。
米原着の各停からの客を飲み込むと、電車はすぐに動き出した。


posted by 東村氏 at 10:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 総務 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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