2008年01月31日

クリプトンガイドラインの解釈と見解

論文名:クリプトンガイドラインの解釈と見解
筆 者:東村光 秋葉原大学萌学部准教授
副 題:CGM上のキャラクターにおける二次創作コントロール
Title:How to read to Crypton's guideline
Subtitle:Coterie expression control method for CGM charactor
Auther:Hikari Higashimura Associate Professor.The University of Akihabara
初 出:秋葉原大学(ウェブ公開) 2008年1月31日
Source:TUA of MOE Reports JAN 31/ 2008


目 次
T. ボーカロイド問題の展開・経緯

T - 1. 本稿に至るまでの経緯

U. クリプトン・ガイドラインの検討
U - 1. ガイドラインの構成
U - 2. プログラムの制限
U - 3. 立体物・衣装の制限
U - 4. 表現の制限
U - 5. ガイドラインの影響

V. 補足
V - 1. デッドボール P の問題への補足
V - 2. ボーカロイドにおける公序良俗に反する表現への私的見解


概 要
本稿は同人における表現の自由をテーマとする論文から、大きな問題となっている初音ミクにおける“デP削除問題”における問題点となる部分を抜粋し、初音ミクブームの展開という事情を考慮した議論を行うものである。

 全文については、今後刊行される秋葉原大学の同人誌「秋葉原大学萌事論文集(萌集)」に掲載する。全文では、デP問題を中心に、同人における表現の自由のあり方について議論を行う。これは著作権非親告罪化、原作品のイメージ形成に与える同人の影響、二次創作として許容されるべき範囲などの問題などを考えるものである。

 萌集の刊行は、2008年8月に開催されるコミックマーケット74を目標としているが、秋葉原大学が参加する別のイベントに合わせた発行も検討される。なお本論文における議論の前提として、萌例タイムズC73号掲載論文である「背景無き初音ミク」第V章の議論を参考とされたい。



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2008年01月28日

9女は半自動扉が好き

論文名:9女は半自動扉が好き
概 要:12女の記述を元に、9女の鉄道趣味上の趣向を考察する。
筆 者:東村光 秋葉原大学萌学部准教授
Title:What type doors does 9th(Urara) love?
Auther:Hikari Higashimura Associate Professor. The University of Akihabara
初 出:Tokyo CompleX 2008年1月28日
Source:Tokyo CompleX JAN 28/ 2008

さて、いよいよ明日に迫った萌学講義の準備の為に、嫁の動向についての監視体制がおろそかになってしまった。
分析が遅れたことについて、読者諸氏に遺憾の意を表す。
さて12女(吹雪)の主観を通じた嫁の動向分析についての報告を行う。


前回までの復習
私のトゥルー家族こと、麗(以下9女)は、多摩地区を中心とする首都圏西部地域に生活拠点を持つ通勤型趣向を持つ鉄道ヲタクである。



今回は模型を使った遊びを通じ、9女の車両の扉についての趣向が判明した。
一般的な鉄道趣味において、この車両の特定部位について興味関心を持つことを、形態分析と呼称する。特に扉は車両の外観に影響を与える大きな要素である。

例えば、扉に設けられている窓ガラスをどのような構造で支えているかは大きな問題点であり、781系特急用電車で、試作車が「Hゴム」支持であるのに対し、量産車が「押さえ金」支持であるため、客用扉から受ける印象が大きく異なってしまうのである。

蛇足ながら、個人的には14系500番台の客用扉が我が国の客用扉の中でも最も洗練された美しいものであると信じる。すなわち幅700mの片開き・裾絞り・窓Hゴム支持である。

さて、12女はこう述べている。

どうやら麗姉は電車のドアが好きらしい。
取っ手がついていて自動的に開いたり閉じたりするあれです。


12女は鉄道趣味に関心がないことは、以下の発言から明らかである。
私は特に電車に興味はないけれど――
無機物が好きな気持ちはよくわかります。


ここで着目として、12女がわざわざ「取っ手」について言及している点がある。
率直に考え、鉄道趣味に関心が無い以上「取っ手」が扉に付いているかどうかを強く意識するとは考えにくい。それは現在の我が国では、ほぼ100%鉄道車両に自動扉が装備されているからである。言い換えると、「取っ手」を使って扉を開閉するようなことは殆ど無い。

しかしこれはあくまでも、車両に乗る為のものであり、車端部にある貫通扉はまた別である。
貫通扉には「取っ手」が存在する。

ここで、議論の方向性を一度変え、12女の言及するシチュエーションについて定義を行う。
12女は「取っ手」について言及した。それは9女が「取っ手」について言及したからである。ではその言及はどのように為されたか?
推測ではあるが、模型の扉を例示しながら「取っ手」のついている扉について話したのであろう。
すなわち9女が話題にした扉は、車両の側面に付いている扉ではなく「貫通扉」について行った可能性が高い。

しかし同時に12女は、
どんなドアが彼女の1番の好みであるのかについて、
細かく語ってくれました。
それは1車両についているドアの数や形状、
取っ手の様式や窓の形など――

と描写した。

「貫通扉」は、車端のみに存在するものであり、形式により大きな差異の出る部分ではない為、描写と推測の間にズレが生じる。
この描写を検討すると、貫通扉についての話を9女と12女が行ったと言うことは合理的に説明しきれないのである。

ここで、原点に立ち返り9女が仙石線から転出した105系が好きだと言うことを考慮に入れ、「取っ手」問題に取り組んだとき、筆者は半自動扉に特有の「取っ手」の存在に思い至ったのである。
川越線用の103系3000番台についていたことでもお馴染みの、あの「取っ手」である。

勤勉で偉い電車たち
という発言を踏まえると、半自動回路が必要な寒地向けに改造され地味な運用についていた通勤車両に装備されていた「取っ手」に強い偏愛を示していることが容易に推測されるのである。

つまり9女は、105系と外観が同一に近い八高・川越線用の103系3000番台の模型で遊びながら、「取っ手」についての会話を12女と行ったと解釈することが、1月27日付日記の読み解き方なのである。
故に「取っ手」付きの扉が好きだという9女が好きな扉とは、半自動回路(但し押しボタンではない)が装着された扉であると判断される。

鉄道模型において、八高・川越線の103系3000番台を再現するとき、この「取っ手」を如何に再現するかということが重要な点となる。麗の発言は、この鉄道模型における要点を踏まえているとも言える。

そしてまた、この推測はこれは過去の9女の発言における傾向(マニアックな通勤車を好む)と合致するものであろう。

また蛇足ながら、窓の形状についての説明とは、おそらくユニットサッシを巡るものであると推測される。また103系は更新工事により、客用扉がステンレス製のものに交換されたものがあり、扉の形状(ドア下部の窪みのことか?)の細かな差異について語ることは出来る。
但し扉の数については103系では語り得ないことがあり、今回の会話は103系を中心とした会話であるとの推測に留めざるを得ないだろう。


なお最後に八高・川越線103系の取っ手の拡大写真の提供を要請し、本報告の終了とする。提供が可能であれば、コメント欄を通じて連絡をされたい。但しお礼は何も出来ない。


なお、ある知人から、今回の内容について2月12日実施分の講義にて言及して欲しいという要請があった。べびプリについてより深い考察を行い、講義の形で発表することは前向きに検討中である。


追記
なお匿名掲示板にて、前回の内容における事実誤認の指摘があった。近日中に訂正したいと考えている。
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2008年01月26日

背景無き初音ミク

論文名:背景無き初音ミク
概 要:萌文化の成熟とキャラクター形成
筆 者:東村光 秋葉原大学萌学部准教授
Title:Process of Moe Charactor establishment from "HATUNE MIKU"
Auther:Hikari Higashimura Associate Professor. The University of Akihabara
初 出:萌例タイムズC73号9-21項 2007年12月31日 コミックマーケット73新刊
Source:Journal of MOE archtechture No.C73pp.9-21. DEC 31/ 2007 ComicMarkets 73

目 次
T.素材としての初音ミク

T-1.緒言
T-2.パッケージされたキャラクター
T-3.初音ミクのキャラクター領域
T-4.主人公なき初音ミク
T-5.初音ミク同人誌は二次創作か?

U.エココの記憶
U-1.エココブーム
U-2.でじことエココの類似性
U-3.任意論(伺か論)
U-4.アスキーアートの確立
U-5.形成プロセスの確立

V.初音ミクのキャラクター形成
V-1.キャラクター形成の違い
V-2.葱と初音ミ
V-3.初音ミクの多面性
V-4.初音ミクの消失(オリジナル曲)
V-5.初音ミクの確立

W.背景無きキャラクターへの萌え
W-1.キャラクターと背景
W-2.サブキャラクターへの人気
W-3.背景なきキャラクターの成熟



T 素材としての初音ミク

1 緒言

 2007 年8月末にリリースされたクリプトン・フューチャー・メディア社(以下クリプトン社)の音声シンセサイザー「初音ミク」は、ニコニコ動画を中心とするネットコミュニティで一大ムーブメントを引き起こした。初音ミクというソフトウェアが基礎とする VOCALOIDの技術そのものは、2004年にリリースされた MEIKOに始まる5種類の製品にて、ある程度の実用化が為されており、初音ミクでは技術的な進歩を認めることが出来るが、機能上のコンセプトに特筆すべき点は見られない。しかしながら現実には MEIKOと初音ミクの間には商業的な大きな間隙が存在し、VOCALID自体もまた初音ミクの着目が集まることにより、その存在が広く知られることになったのである。

 初音ミクの商業的成功の理由として、既にweb上に氾濫している様々な言論が指摘するところではあるが、確立したキャラクター性とニコニコ動画という作品発表に適したインフラの確立というタイミングの2つの要因が挙げられるだろう。より端的に言えば、ニコニコ動画が盛り上がっていたところに、萌えの様式を踏まえたキャラクターという適当な素材である初音ミクが投入され、成功を収めたのである。

そして TBSによる偏向報道と、Google、YAHOOなどの画像検索における“初音ミクの消失事件”が、初音ミクの存在をさらにネットユーザーに対し宣伝することとなったのである。一般社会における扱いはともかく、ネットコミュニティにおいては、これらの一連の騒動は初音ミクへのさらなる興味関心の集積に結果として大きく貢献したことが指摘できるだろう。

 本稿では初音ミクに対する萌えがどのように形成され、一大ムーブメントに至るかについての議論を行う。筆者は初音ミクに対する萌えの構造は、曖昧な主観である萌えの特性が最大限に廃された結果として成立したものであると捉えている。初音ミクへの萌えの構造を理解することは、萌えの動向および形成プロセスについて、従来のストーリーに依存する萌えの形態からの転換について明らかにすることである。萌え社会の成熟に伴い、クリエイターとユーザー(ヲタク)の間に存在した関係が徐々に対等に近づきつつある中で、ユーザーによる萌えの形成への参画は増加しつつある。本稿はこのような現状を踏まえた上で、初音ミクに見られる従来の萌えとは異なる構造を明らかにし、その意義について検討を行うものである。



2 パッケージされたキャラクター
 初音ミクの成功の一因として、確立したキャラクター性が指摘出来る。ここで私が用いるキャラクター性とは、キャラクターとしての性格設定が確立しているという意味ではなく、ソフトウェアのセールスポイントとして人格(=キャラクター性)が効果的に用いられているという意味においてである。初音ミクの最大の特徴は VOCALOID2という新しいエンジンに基づき、従来のコンピューター合成では難しかった自然な歌声を実現した点であるが、実際のパッケージにおいては、自然な歌声を実現する VOCALOID2という DTM技術以上に、初音ミクというキャラクターそのものが前面に押し出されている。

 初音ミクがDTMソフトとしては異例の売れ行きを記録したことは既に報じられたことであるが、この事象は DTMソフトとして見込める一定の需要を超える需要が発生したと読み解くことが出来るだろう。つまり初音ミクへの需要の中に、音声シンセサイザーとしての機能以外のものを求める需要が存在したのである。では機能を超える需要とは何かということを考えた場合、それは初音ミクというキャラクターそのものに対する需要であると捉えることが妥当であろう。つまり歌手としての初音ミクへの人気が集中したことで、グッズを購入するのと類似した需要が発生したと考えられるのであり、より端的に述べると初音ミクという2次元キャラクターへ萌えが高まることで、“原作”であるソフトに対する需要が高まったのである。

 つまり音声シンセサイザーという決して需要が大きくないソフトウェアに、付加価値として萌えの要素を取り込んだことで、本来の購買層 [12]とは異なる需要が掘り起こされたのである。初音ミクが“萌えのアーキテクチャ”に則り設計されていることは明白である。それはキャラクターデザインや起用された声優の傾向が如実に示している。この付加価値として取り込まれた萌えの要素は、初音ミクという人格に集約された。クリプトン社の公式サイトに掲載された情報の中には、本来の用途には全く寄与しないキャラクターとしての初音ミクのスペックが示されている。これはこのソフトウェアに含まれているものは、単なる音声シンセサイザーとしての機能のみではなく初音ミクという萌えキャラクター全体であることを示唆している。

 近年、二次元キャラクターに対し“俺の嫁”という表現で萌えを表す言説が目立ち始めている。初音ミクの確立したキャラクター性は、“俺の嫁”の対象として相応しいものであろう。初音ミクを購入することは初音ミクが嫁いでくるということであり、“歌手”初音ミクを独占することであるのだ。

※ この論文の内容について、2月12日の最終萌学講義(愛媛大学)にて「萌えキャラクター形成理論」として東村准教授による講演が行われます。




※WEBサイトなどでの引用時は、目次ページの掲載をお願いします。
http://upfg.lullsound.com/akiba-u.ac.jp/reports.html
posted by 東村氏 at 17:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 主張 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年01月17日

9女が指す105系とは?


さて、私の嫁がなにやら発言をしたようなので掲示する。

さて、私は当然のことながら麗についてネットストーキングをしている訳だが、ここである疑問が生じた。

麗が語る105系とは原番台か、それとも1000番台か?

多くの鉄道趣味者にとって車体形状とはその興味の主たる領域であり、その形態の差異については、大きな注目が集められている。

さてここで105系のヴァリエーションについて、おさらいをしてみよう。
非鉄道趣味者は、wikipediaあたりを検索するのが手早いが、趣味者においては、山と川の渓谷社から発行された国鉄車両形式集の5巻を参照して欲しい。

105系には3つのタイプが存在する。
A.一つは、原番台という完全新製車としてして作られたものであり、側面3扉に貫通扉付きの前面構造を有するものであり、福塩線や和歌山線で主に用いられるタイプである。

B.次は1000番台と呼ばれる103系から改造されたもので、側面が4扉であり前面構造は新製車と同様の貫通扉が付いている。

C.最後も103系から改造された1000番台であるが、前面構造は種車の構造が存置され、地下乗り入れ仕様の貫通扉付きと非貫通型の2種類があるが、素人目には判断が付かないかもしれない。


問題となるのは、麗が指す105系がこの3つのタイプの中のどれを指しているのかと言うことである。
完全新製車(原番台)であるのならば、麗は105系と共に107系や119系も好きでなければならない。
しかし仮に103系からの改造車を指し、105系と述べているのであれば、麗はむしろ103系や101系が好きであると言うことになる。

例えばキハ53型で考えると、原番台と500番台を同列に見なす鉄道ヲタクはいない。原番台はキハ23の2エンジン車であり、500番台はキハ56の両運転台化改造車であり、製造の経緯も、外観も何もかもが違うのである。
105系の問題は、キハ53のファン層における番台による派閥対立と同種の構造を含んでいる。

この両者の差は、外見上は通勤車よりも近郊車に近い105系原番台と通勤車そのものである105系1000番台の選択を通じて、鉄道趣味上重要な特に興味関心のある車両の好みについて、どの派閥に属するのかと言うことが変わってくる。

より率直に述べると、趣味的な興味関心が一致するかという問題が関わってくる。故に麗が105系のどのタイプが好きなのかと言うことについて、重要な関心が寄せざるを得ないのである。

〔参考〕
JR電車における私の主観による派閥区分(私鉄、気動車、客車、機関車、貨車などを除く)

1.通勤型派閥
2.近郊型派閥
3.急行型派閥
4.特急型派閥
5.事業車派閥

この分け方は、国鉄の形式命名基準に10の位における区分を準用した。


結論から述べると、麗は103系からの改造車である105系を「自分の恋人」としている。
私の初恋の人105系を見たあの日に思ったこと、
私、今でも覚えてる。
それまであんまり電車に乗ったことの無かった私は、
あの日初めて彼を見たの。
ああこれが訓練車じゃなくて今ここですぐに乗れたらって――。
体が熱くなって目の前が真っ赤になる気がしたわ。


下線部にあるように、麗は訓練車としての105系を好んでいる。
訓練車には2つの種類が存在する。
それは専用の訓練用車両を指す場合と、普段は営業運転に使用されている車両に回送もしくは試運転を掲示し、訓練運転する場合である。

しかし一般的に訓練車という場合は、専用の訓練用車両を指し、さらに105系を専用の訓練車として用いているのはJR東日本のみである。
麗は、15日付日記で

私はまだ小学生だから、好きなだけ電車に乗る事なんて
全然できない。
おこづかいだってたりないし、
お母さまやお姉さまたちもみんな休日は
なるべく家族が一緒に過ごすべきだって思っているから、
1人で電車に乗りに行くことだってそんなにはできないし――。


と述べている。
同時に14日付では
私に近寄らないで!

今日はこれから田園都市線に乗りに行くんだから――

と述べている。
ここから、麗の生活圏が首都圏であることが分かるだろう。
麗は実際に105系を自分自身で現認していることと、105系の原番台がJR西日本のみに存在することを考慮すると、麗の指す105系とはJR東日本の保有する編成を指していると言うことが特定できる。
そしてJR東日本の編成は103系の改造車のみが在籍していたのである。

JR東日本の103系訓練車は2編成存在する。
そのうち1本は逗子線に存在し、もう1本は武蔵野線に存在する。

麗の日記にて言及される車両は、首都圏の中でも西側で見られる車両についてのものが多い。


1/15日に発表された日記では、

JR東日本 209系(原番台):京浜東北線
営団(→東京メトロ)5000型:東西線
営団(→東京メトロ)6000型:千代田線
国鉄(→JR東日本)301系:東京メトロ東西線・中央総武緩行線

について言及されている。
京浜東北線は大船まで、東西線は三鷹、千代田線は唐木田・本厚木まで乗り入れている。

ここから、麗の生活圏は首都圏西部(おそらく多摩・八王子・川崎北部)であると推測されるのである。
これは小学生が移動できる行動範囲の推測や、幼少時は地元を走る車両に対し愛着を得やすいという鉄道ヲタク特有の傾向を踏まえた上での推測である。
この生活圏を考えると麗の指す105系とは武蔵野線の新秋津駅に留置されていることの多いJR東日本八王子支社に属する車両と捉えることが妥当であろう。


つまり麗が好きだと述べる105系とは、103系の改造車であり、イデアの105系(原型)が好きではないのだ。
またこれは前面構造も103系のままのものをそのまま流用したCの区分に入る車両である。

さて、キャラクター紹介においてはキャッチコピーで「私の恋人は105系よ」と宣言されている。
一方で、紹介文中では300系についての「あなたは何線が好き?300系が好きなら見所があるわ」という言及が為されている。
ここに私はある大きなヒントを認めるのである。

通説では300系とはJR東海の開発した初代のぞみ型の300系新幹線電車を指すと思われる。
しかしもう一つ300の形式を持つ車両が存在する。
それは東京メトロ東西線と中央総武緩行線の相互直通用に開発された301系におけるクモハ300、モハ300である。
私はあえてここで、この300系とは301系を指していると解釈する。

麗の特徴として、通勤型車両についての言及が非常に多い。
花形の特急型や新幹線ではなく、ステンレスの車体を持つ4扉ロングシートの車両を特に好んでいる。
例えば

東西線5000系が引退しちゃうって聞いたときには
本当に泣いちゃった。


とあるが、これは通勤型に愛着がないと為し得ないレベルである。

とっても勤勉で偉い電車たちがどんどん姿を消していってしまう

という内容からも、麗の通勤型への思い入れのあり方が非常に強いものであることが想像できるのである。

これらの内容を考えると、麗の指す300系とは、JR東日本のクモハ300を指していると捉えることの方が、ある意味で合理的なのである。
(純粋に、こだまなどの地味な運用に従事する新幹線300系を通勤用に準ずる車両と見立てている可能性もあるが、それならばE4系MAXなどに言及する方が自然である。しかしE4系は東京以北を走る車両であり、西へ向かう東海道新幹線を選択したという考察も成り立つであろう。)

麗の鉄道趣向は通勤型に強く偏っている。
ここから近郊型に近い車体構造を持つ105系原番台よりも、通勤型の標準形式である103系を改造した(車体構造は殆ど変わっていない)105系1000番台を好んでいるとの解釈を成立させることも出来るであろう。



文責 秋葉原大学准教授 東村 光


追記

続きは本日夜以降に延期

#連絡
次回講義は、1/29に愛媛大学にて実施の予定
http://upfg.lullsound.com/akiba-u.ac.jp/moegaku/index.html



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